千日前「千とせ」の肉吸い
なんばグランド花月の舞台裏と楽屋を徘徊させてもらったあと、吉本興業オフィスへ。案内してくださったT子さんはバブル時期の入社で、それはそれはオモロイ時代だったそう。だろうなぁ。何せ入社した動機が素敵。知り合った社員が「きのう、横山やすしに殴られてん。やってられへんわ〜」と言っているのを聞いて、なんて面白そうな会社なんだ!と思ったからなのだそう。フツーはじゃあ止めとこ、になりそうですが、こういうテンポのよさ、ウケるツボ、すべてを私は愛します。京都在住で大阪出身の看護師Aさんいわく「大阪に行くとテンポがよくてスッキリします」。そう、スッキリ、という表現がぴったりだな。キオスクのおばちゃん、会話のキャッチボール、すべてパンパンパーン、と気持ちよく小気味いい。大阪へ行くと、そうそうこのノリ、やっぱり私にピッタリ、あースッキリです。
なんばグランド花月は吉本興業100周年を祝ってリニューアルしたばかり。芸人さんたちも愛する「肉吸い」で知られる千日前のうどん屋「千とせ」もテナントに入っていました。本店も見に行きましたが行列だったので、花月の店へ。
T子さんも二日酔い明けによく食べたといいます。肉吸い=肉うどんのうどん抜き、小ごはんで840円。つゆがザ・大阪風、とてもやさしくて、でもしっかり味わいがあって。「安い肉であればあるほど、いいんでしょうねぇ」。T子さんがまたしてもニクイことを言いました。二日酔い明けアイテムというのも分かるなぁ。
汁には卵がひそんでいて、ご飯のうえに引き上げていただきます。この卵がポーチドエッグで、お箸で引き上げられるうえに黄身がとろーり、ソースのように流れ出します。すばらしいポータブル・エッグ、よくできているなー。千日前の本店の風情を見学して、食べるのは空いている花月店で、というのもおすすめかも。