多田千香子 | Pen&Co.(ペンアンド)株式会社・代表取締役CEOのブログ

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スラムの学校で少林寺拳法教室

 久留米大学4回生4人と14日、デリー最大級のスラムがあるBaljeet Nagarへ。グルガオンから2時間、なんと1時間半もの大遅刻でした。ドライバーが私のインド有史以来の大ハズレでした。キーッ。久々に吠えましたがウブな学生たちをビビらせ運転手は言い訳し…何の足しにもなってへんって。みんなが帰ったら引きこもり率100%だなこりゃ。
 運営するNGOのメンバー・羽鳥さんがさまよう私たちを探し出してくれました。ソーシャルワークを専攻するデリーの大学院生で、来月には帰国するのだとか。よかった、その前に来ることができて。英語でのスラム訪問ツアーはあるとはいえ、知り合いがいるといないでは重い腰浮上率が上がりませんから。
 小高い丘をぐーるぐる、給水車が来ている地点から登っていきました。まさに登る、で、舗装されていない足元はぬかるんでいたり、がけ崩れ状態あり、でしたので。羽鳥さんと同僚のスレンダーさんを質問攻めにしながら歩きます。20〜30年前からあるスラムで、1.5万人が住むそうです。ゴミ集積場がいくつも眼下をかすめますが、意外に悪臭がしないなあ。水道はないですが電気は通っていて、レンガ積みの家の中にはパラボナアンテナもちらほら見えます。携帯もみんな持っているし冷蔵庫のある家もあるそうですが、目に映る光景はスラムそのもの、なんだなあ。
 ハイヒール姿のミホさん、サンダル姿のアズサさんもレンガの家につかまりながら先をめざしました。鹿児島のイチローことミネサキ君が自然に手を差し伸べていて、きゃあ、いいな、素敵〜。
 40分ほど歩いたでしょうか、少し開けた場所にあるNGO運営の学校にたどり着きました。寺子屋といった感じで、8畳ほどのスペースに5〜13歳ぐらいの生徒10数人が地べたに座り、ノートを広げてそれぞれ勉強の真っ最中でした。先生のプージャは17歳と言いました。
 さっそく久留米大学少林寺拳法部の主将、アズサさんに演舞をお願いしました。胴着を着てこなかったことを悔やみながら、それでもパンジャビドレス姿でポーズを決めます。いぶかしげた表情だった子どもたちもすぐに笑顔になり「カラテ!」「カラテ!」といいながら、一緒にやり始めました。ミホさんは子どもたちの輪に入り、構えを直してあげたりしてサポートします。ミネサキ君がアズサさんに投げられ転ばされると、おおおーっと歓声が。イノウエ君も拳の練習の相手をしてあげたり抱っこしてあげたり、全員があっというまに溶け込んでいました。うわーっ。じーんとしました。ちょっと涙ぐみました。子どもたちと学生たち、境遇はまったく違いますが若さが放つ輝きでキラキラしていて、狭く暗い教室で見事に響き合っていたのでした。グルガオンで手を出す子どもたちに出くわすことも多くて内心、身構えていた自分を恥じました。いいなあ、すばらしいなあ。彼らと一緒に来ることができたこと、心から感謝しよう。
 グルガオンへの帰路を急ぎました。デリーとの境にある元・料金所のあたりは4車線(・・かどうかアヤシイ)道路がホウキの先っちょのように枝分かれしていて、秩序なき大渋滞スポットなのですが、がら空きでよかった。と、隣のミホさんが声を挙げました。車線もなく好き放題に走る車を見て驚いたようです。「うわー、自由だー」。思わず吹き出していいました。「そうよ、自由よー」。自由すぎるインド、たった10泊じゃ物足らなすぎます。じゃあ滞在伸ばしたら〜、また来たら〜、と魔の誘いです。
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