丁稚ケイの作った「プリンエル」

　週末に何もかも放棄して布団をかぶっていたら、夢かまことか遠くの会話が聞こえてきます。どうやら丁稚ケイと相方ユウサンが台所で何かをはじめようとしているようですが、大丈夫かな。何せユウサンときたら私が一時帰国している最中、レンジで牛丼（私が作り置いたもの）をチンしたまま忘れて数週間経過、戻った私がレンジを開けて絶叫、異臭を放つ化石となったモト・食物を時速150ｋｍでゴミ箱に投げ込む事件以来、ほぼキッチン出入り禁止としているのです。まあいいや、臥せっている私からケイを遠ざけてくれているだけでもありがたいとせねば。
　起き上がってみるとケイがラップのかかった湯のみを手にしています。「けいがつくったよー」。わ、プリンだ。どうやら引き出しに眠っていたハウスの「プリンエル」を発見、牛乳を入れて作ったようです。「わー、ちゃんとラップまでしてるー」。いちいち感動です。プリンエルってこんなにおいしかったっけ。もう風邪、治ったわー。思わず2個を立て続けに食べました。
　私の手伝い（…になっていませんが）でクッキーやケーキを作ることはあっても、私なしで作れるなんて（化石製造マシン・ユウサンを含めて）。私が初めて作ったお菓子は小4でシュークリームでしたが、3歳でプリンエル、というのもいいな。はー、おかげで復活です。

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パリの小さなキッチン