たまたま手にした本に

　自宅から３０分、南デリーにあるデリー日本人学校へ。４歳の丁稚ケイが空手を始めたためです。オケイコ男子リチャードに誘われて、空手同好会に入ったのは３カ月前でしたが、ケイは怖がり嫌がり、体育館の中にいることもできませんでした。無理か…と行くのをやめていたのですが先々週、なぜか突然「ボク、空手、する」と言い出したのでした。もちろん時々、ちょろちょろしていますが「オッス」とお稽古に参加、いったい何が起きたんだー、という変わりようです。週末にすることができて、よかったよかった。
　稽古中に学校玄関に「ご自由におとりください」と置かれている本を眺めに行きました。先週の夏祭りであった古本市の売れ残りでしょう、結構な数です。買えなかったこともあり、どれどれ、みてみよう。月刊文藝春秋を２冊、いただき、他にはないかな…と回遊していたら、いくつめかの段ボール箱の奥底から「さよなら！僕らのソニー」というタイトルが飛び込んできました。相方ユウサンにどうかな…（ソニー出身だし）と手にとると、パラーリ。しおり替わりなのか、挟まれた名刺が落ちてきました。見ると「Yu Ninomiya」、うわ、ユウサンのだ。えー。忙しいユウサンが日本人学校の古本市に出したわけはありません。彼がだれかに差し上げて、それが売られたか。
　体育館にいたユウサンにみせると「えっ」。「いやー、どうしたっけ、だれかにあげたような、出張先で忘れたような…でもほとんど読んでないな」と、思い出せないようでした。アカン、としやー。
　いずれにしても偶然、私が見つけ、舞い戻ってきたって、やっぱり不思議なご縁があったのかも、と意味もなく感じ入ったのでした。

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