北インド鉄道の旅
めざせタージマハール。午前6時のデリー駅は、人と毛布とシーツの山だらけでした。夜行列車が着いたばかりかな。かきわけて青い車両の「シャターブディー急行」に乗り込みます。
2等車で新幹線より席は狭いけれど、エアコンも効いています。朝ご飯にしようと前日に買ったドーナツの包みを開けました。ふと見上げると通路にインドっぽい腰巻きをした男性が立っています。ニコリともせず新聞を配り始めました。へーぇ、飛行機みたい。機内サービスがあるんだ。席に近づいた彼は無言のまま、私には経済紙、隣に座ったSちゃんには大衆紙を渡していきました。「どうして私にはゴシップ記事…」「見た目で判断しているんじゃない」。米国の弁護士である才媛に向かって我ながらずうずうしいのでした。