赤いポットサービス
「見てみて!」Sちゃんがささやきます。腰巻き男子が山ほど赤いポットを抱えて仁王立ちしていたからです。えー、一人ずつ、くれるんだ。使い古した感じがレトロでかわいい。まもなく小さな赤いトレイも配られました。黄色のティーバッグには「ミールズ・オン・ウィールズ(車輪の上の食事)」とありました。語呂もいいな。やるじゃんインド国鉄。チョコレートとマリービスケットつきの、文字通りお茶のポットサービス。客にお茶作りからやらせたほうが手間がかからないような、ポットにお湯を入れる手間がかかるからおんなじのような…。それともチャイの国だけあって、客それぞれの好みがあるからかな。
後ろの席にいたメガネの紳士を観察します。ティーバッグをとりだしてお湯を注ぎます。しばらくしたら糸をバッグにぐるぐる巻きにして、最後の一滴まで絞り切っていました。さすが。