多田千香子 | Pen&Co.(ペンアンド)株式会社・代表取締役CEOのブログ

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濃霧に撃沈フライト

いま思えば確かに5日は朝から濃霧、いや毒霧でした。目がかゆくてたまりません。18:00ごろデリーの空港へ。20:20発のJAL740便に乗るためでした。日本帰国時は身軽…なはずですが、デリーに戻る際には担ぎ屋状態、スーツケースの中にキャリーケース、大きなスポーツバッグに保冷バッグなどを詰めまくり、カバンのマトリョーシカ状態です。しめてお土産や仕事道具も入れたスーツケース3個(合計40キロ)に、機内持ち込みのキャリーケース+パソコンが入ったバッグに丁稚ケイつき、で一丁上がり、です。しかもデリーの場合セキュリティが厳しく、原則は搭乗客しか入場できないので、よろよろしつつカートを押して、何とかチェックインしました。
スーツケースを手放しても修行のごとく制御不能の2歳男児を抱きかかえて入国審査カードを書き、セキュリティチェックを通過するころにはひと仕事終えた感です。ふーっ。
おかえりなさいませ、と機内で迎えられたところまではよかったのですが、いっこうに出発しません。だろうなあ、だって窓の外は真っ白、すぐ横にあるはずの翼さえまったく消えていますから。22時ごろ、天候回復の見込みなし、とのことで朝食用のおむすびセットが配られ、滑走路の上でいただきました。おなかがグーグー、ひもじかったので助かったー。
飛ばない、と最終的に決まったのは日付が変わったころ、機内に入って4時間後でした。JALにしてはインド人が多く、詰め寄っている人もいましたが、あきらめ顔で携帯で連絡している人がほとんどでした。私は、と。着替えもないし、家に舞い戻るかー。でもステイ先の候補にオベロイ系の高級ホテル、トライデントが入っているとアナウンスされて気が変わりました。我ながらゲンキンなやっちゃ、ですが、しかも朝昼食つきというではありませんか。こんな機会でもないと泊まらない、いや泊まれないし、行こう。単独行動に走って明日の便を取りこぼしては大変だし、ケイが寝たら身動きができなくなるし、そうしよう。とにかく寝るなー。なけなしの芸で彼を起こすので必死でした。「ついたよ、ついたよ」。機体から降りようとするとケイが言いました。いやー、着いたというか。
JALの荷物テーブルがどこか表示もなく、あちこちにひとだかりができていました。ほぼ全便が欠航したとかで、混乱もむべなるかな。ええっと、スーツケースはピックアップする必要があるんだろうか。聞きまくりましたが判然とせず、JALのスタッフらしき人も乗客らしき人たちも見当たらず。ホテル行のバスに置いていかれたら大変、と、機内持ち込みのキャリーケースとバッグだけで出ました。スーツケースなんて持ってられへんわー。
出たらまたトライデントートライデントーと尋ねてまわり、スタッフを探し出しました。「JALの客か?何人ぐらいくる?」と言われました。えーと座席番号1から確か45番までだから、×6列で、って、JALのスタッフじゃないっつーの。韓国人の女性2人組が荷物を運ぶのを手伝ってくれました。泣けるー。そして寒いなあ。トライデントのスタッフがホットココアをケイに持ってきてくれましたが、ケイは私が座った瞬間に爆睡してしまい、私が恩恵にあずかれました。ああ、よかった。
ホテルに着いたのは午前3時半でした。眠りこけるケイをベッドに放り投げ、ふー。想像通りのゴージャス空間です。運が悪いような、いや、やっぱりいいことにしよう。まだまだ私はツイている。「移動中にいい子だと助かるね。気を取り直して、おいしいものを食べて再度、頑張って」。姉の励まし、効くなあ。気力が戻りました。
フライト23時間遅れの6日19時20分発とのことです。きょうは快晴、ちゃんと飛びますように。