多田千香子 | Pen&Co.(ペンアンド)株式会社・代表取締役CEOのブログ

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陶芸家のピクニック〜ビストロ「l'office」料理人のマリさん取材〜料理教室アトリエ・デ・サンス

午前10時、近距離鉄道RERに乗ってナポレオン皇后ジョセフィーヌの城があるリュエイユ・マルメゾンへ。陶芸家マミさん宅を訪ねました。天井の高いアトリエは芸術家のための公営住宅で、マミさんの作品がところせましと置かれていました。多才なマミさんは有名なランナーでもあります。フランス中のレースを走りまくり、本まで出しています。月間走行200〜280km、自己ベストは3時間21分なのですから。かつては徒競走が大の苦手で人生最大の悩み、体育は3だったと言います。私も私もー。走り始めたのはマルメゾンに引っ越してからだそうです。
印象派の画家モネが描いたセーヌ河を歩きます。ここってパリを出て10分ほどなのに、ものすごく空気がおいしい。都会に近い緑たっぷりの水辺、走るだけでお肌つるんつるんになりそうです。ここが普段のジョギングコースなんてうらやましい。
と、話がランに暴走‥ピクニックだって。料理講師でもあるマミさんが作ってくれた品々を撮影です。絶品タラマにポール・ボキューズ直伝(手をとって教えてくれた、というのですからまさに直伝)のディップ、ランナーアイテムのレバー‥。冷えたロゼまで用意してくださっていました。盛る皿は彼女の作品で、なんてぜいたくなんだろう。でも陶芸家仲間のピクニックでは当たり前だそう。「何せ身近ですし」。お料理って本当にトータルだな。脱タッパー宣言しよう。
かくも陶芸家にとって、ピクニックがつきものです。自宅の庭でもピクニックです。フランス人にとってピクニックと言えばどこかへ行くことじゃなくて、わいわい外で食べることなんだな。
話が面白すぎてずっと居座りたい気分でしたが次だ次ー。午後3時、サクレクール寺院近くのマリさん宅へ。パリジェンヌらしい小さな小さな部屋で、120パーセント期待通り、うれしくなりました。歴史の先生からキュイジニエールへの転身です。パリ商工会議所の料理学校フェランディで学び、いまはリシェ通りにある人気ビストロで、日本人シェフの下で働いています。
フランス式2階の窓は小さな広場に面していて、彼女が育てているハーブ越しに八百屋やカフェを見下ろせます。下町らしい活気が伝わってきます。典型的なパリのアパートで、うれしくなりました。とても小さい部屋だけれど窓が2つあって明るくて、女の子らしい赤白チェックのテーブルがあって、マリさんの人生のように前へ、前へ広がっているようです。
無理やり仕切られたような小さなキッチンで、温度計もないオーブンで焼いてくれたフィナンスィエと2種の桃の皿盛りデザート、ウイキョウとオレンジのサラダ、マカデミアが絶妙なパンナコッタ…食材の組み合わせ、スパイスづかい、どれも上品で無理がないけれど驚きもあって、さすが。うなりました。
午後7時、オペラ座界わいにある料理教室「アトリエ・デ・サンス」へ。テーマは「南仏プロヴァンスのアペロ(おつまみ)」で、全部で9種類!分担して作る方式のレッスンで、作りながら13人で試食しまくりでした。ああ連日連夜、盛りだくさんでめいっぱい、力いっぱいネタの特盛りご飯も大盛り、な日々です。人にこれだけ会える旅ってこれまでになかったかも。怖いぐらいです。何かものすごくいい本ができそうで、えー、きゃー、どうしようと1人でドキドキです。すべてに感謝しよう。
☆7月19日(土)18:00-、東京・紀尾井町のCOOKCOOPでのイベントはおかげさまで満席となりました。キャンセル待ちを受付中です。詳しくはコチラ→夏のフレンチ・簡単レシピ10~人気料理本『パリの小さなキッチン』より~ - COOK COOP | Doorkeeper
☆7月13日(日)11:30−、大阪・なんばパークス産経学園でイベントをします。パリ取材から帰りたて、パリのおいしいもの直送です!詳しくはコチラ→産経学園

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☆粉遊びの会@インド「シュークリームの会」は7月27日(日)から再開する予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

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☆初の翻訳本が発売されました(Kindle版もあります)。

パリの小さなキッチン

パリの小さなキッチン

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☆新刊「パリのチョコレート レシピ帖」はおかげさまで増刷されました。日本図書館協会選定図書にも選ばれました!引き続き熱烈よろしくお願いいたします。

パリのチョコレート レシピ帖

パリのチョコレート レシピ帖