予約のとれないYam’Tcha(ヤムチャ)へ(1)
パリ在住、料理ジャーナリストY子さんに甘えまくりの旅でした。彼女の運転で「パリの胃袋」といわれる巨大なランジス市場を探検。もう帰ろうかというころ彼女の携帯が鳴りました。受話器越しに彼女に訊かれました。「いまヤムチャの予約が取れたんですけど、行きません?」。ええー、そうなんだ。パリ日本文化会館のイベント後のプチ打ち上げで話題にのぼっていたお店でした。16区にあるミシュラン3ツ星、アストランス出身の女性シェフ(パートナーが中国出身)が営む1つ星店です。いまパリで大人気で、なかなか予約が取れないほどだそう。へえ、どんな店なんだろう。
その夜はピアニストyokoさん、イラストレーターKanakoさんと夕食の約束がありました。彼女たちとはベルヴィルあたりのアジア飯であっさりいこう、と話しておきながら、即座にY子さんに聞き返しました。「友達も一緒にいいでしょうか!」。だってせっかくのチャンスですもの。急いで2人に連絡します。「ここ、すごくおいしいって評判だから行ってみたかったんです!」。ノリノリの返事でした。あぁよかったー。
開店の午後8時、一番乗りです。65ユーロのコースに、それぞれの皿にあった中国茶を出してくれるセットにしました。合計、税金込みで120ユーロ(15000円)ほど。フランス料理に中華素材が不思議なほどすっきりとなじんでいます。融合系って「お箸フレンチ」とか「無国籍料理」とか中途半端でトホホなこともあり、あんまり期待したことがなかったのですが、さすがパリというか。フランス料理のベースがしっかりしているからこその極み、洗練でした。
思い出しても驚きがめくるめく晩餐だったのでした。まずは一品目。ブロッコリ、紫ブロッコリ、赤シソ、燻製豆腐にムール貝。歯ごたえもよく、豆腐がまたお似合いでした。
Yam’Tcha 4, rue Sauval 75001 Paris 0140260807