多田千香子 | Pen&Co.(ペンアンド)株式会社・代表取締役CEOのブログ

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日本標準インド標準

 インドの家には「サーバントクオーター」と呼ばれる住み込みの家事手伝い(男性の場合もあり)さん用の部屋がある、と知ったのは、旅行者として知人宅を訪ねた4年前でした。壁1枚をはさんで片やエアコンの効いた(よく停電で切れることはあるにせよ)広い部屋、片やエアコンはおろか窓もなく「トイレ付き物置」という感じの簡素な部屋です。ショックでした。「彼らには十分ですよ」と知人はいいましたが、私にはできないなあ…。そんな思いを引きずっていました。でも住むようになって10ヵ月(うち3カ月は日本ですからエラそうに言えませんが)、スーパー格差社会・インドの現実を垣間見て「十分」の意味を知ることになりました。人口の6割以上が野外排泄という国です。トイレがあり、住まいがあるということが何を意味するのか。通いのメードさんにもベビーシッターが住み込みでいたりするので「メードがいる」ことが富裕層や外国人の特別なことではないということにも気づきました。
 「ラクでいいねー」と思われそう。はい、賃金は日本のおそらく10分の1以下ですから雇うわけですが(日本人は甘く見られがちなので割高にしても)、まさに両刃の刃、です。通いだとドタキャンも多く、モノが消えた話もよく聞きます。日本とは正反対、黙っていてはかゆいところに手が届くなんて100万光年待ってもありえません。いちいち教え、チェックし、ダメだしする。はー大変、そんなこといちいちしていられない…と、かかわるのをサボっていたのですが、この国で結果を出すためにも、腹をくくって覚悟を決めてかかわっていこう、と考えを改めたのでした。

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パリのチョコレート レシピ帖

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