ホノルルマラソン出走記(中)

午前5時半ごろ、ホノルルの中華街を走ります。ノスタルジックな街並みがぼんやり浮かび、穏やかな笑みをたたえたお年寄りたちが拍手してくれました。異国からやってきて、この地に根を下ろして年を重ねてきたのかな。
カピオラニ大通りからワイキキビーチへ。コーヒーを片手にした早起きの観光客がぐっと沿道に増えました。ホノルル動物園のわきを抜けたら、いよいよダイヤモンドヘッドです。緩やかな登り坂ですがまだ11〜12キロ地点だから気になりません。午前6時半、背の高いパームツリーの葉っぱの向こうの空が青白く、明るくなってきました。ええー、もうウソでしょう、こんなに美しいなんて。神々しいほど青くて高い空を見上げます。宇宙まで吸い込まれそう。走りながら涙が出ました。夜明けのダイヤモンドヘッドにフルマラソン5回目にしてようやく解脱したというか、吹っ切れました。神戸マラソンの後遺症で完走も自信がなかったのですが、時間を気にせず楽しもう。というか、最初から歩いている人も多いなあ。それぞれ楽しめばいい世界中のランナーが魅了されるのも分かります。
一カ月前の神戸マラソンではハーフを過ぎたころ、足が上がらなくなって歩き始めたのでドキドキしていましたが、今回は最初からペースを落としていたせいか大丈夫です。でもやっぱり亀ランナーのお約束、30キロあたりでブレーキです。まあいいや、とテクテクスタスタ歩きます。気温は27,28度でしょうか。グリーンのTシャツ姿のボランティアが差し出してくれるスポーツ飲料ゲータレードを一気飲みです。これ、こんなにおいしかったっけ。