パリで習ったレシピ〜お菓子・パン教室主宰のレイコ先生

 レイコ先生宅はエレガントな16区のすぐ隣の街にありました。パリの料理学校リッツ・エスコフィエで製菓を学んでいたころパリジャンのだんなさまと出会い、住んで12年だそうです。競馬やカーレースなど華やかな社交の場でのピクニック経験も豊富と聞き、取材を楽しみにしていました。
 「これぞパリ16区!のピクニックを教えて下さい」。無理な注文に元キャリアウーマンは手際よく、惜しげもなくレシピとエピソードの数々を繰り出してくれました。メ、メモが追いつかない・・・。「海でも野原でもお料理よりも雰囲気が大事で、真っ白のテーブルクロスを敷き、ガラスのグラスを持ち込んで・・・。もちろんワインは絶対」。いかにもだなあ。カーレースの催しとしてピクニック大賞があったそうですが、優勝したのは「テーブルにナプキンをかけてお花を飾り、演奏もあり」のグループだったそうです。
 ふとベランダを見ると、大きな麦わらかごが置かれていました。シャンティイ競馬場であった伝統ある重賞レース・エルメス杯で出されたピクニック・ランチ用のパニエ(かご)だそう。へえー、これが。青いラインがあしらわれ、丈夫そうです。「でも中身はシンプルでしたよー。テリーヌにバゲット、チーズにリンゴとか、簡単なもので・・・あとはシャンパーニュぐらい」。ホテルでピクニックランチを頼んでも似たような感じなのだとか。
 レイコ先生の生徒さんであるトモエさんも在住7年で、息子さんが通う幼稚園の遠足を話してくれました。まずダブルベッド2つ分ぐらいのシーツが芝生に敷かれ、それに参加20人ほどが座る・・・のではなく囲んだそうです。テーブルクロスの替わりですから。日本人なら間違いなくシーツにヨッコイショしそうですが、座るのはオン・ザ・芝生です。先生から回されたのはファスナー付き袋に入ったキュウリとにんじんのスティック、ハム、ポテトチップス、リンゴのコンポート(吸うタイプ)だったそうです。確かに食べ物は日本の行楽弁当ともキャラ弁とも100万光年遠いシンプルさですが、でも「クロス」は敷くというのがポイントだな。
 レイコ先生がパパッと披露してくださった料理はふるえるおいしさでした。焼きたてのピサラディエール(ニースのピザ)は何枚もおかわりしてしまいました。冷凍食品チェーンPICARDのパイシートを広げて(すでに円盤状なので伸ばす手間もないのがうらやましい)、炒めたまねぎとアンチョビとオリーブをのせただけなのに。素材がいいからでしょうか。アメリカ人の友人に習ったというチキンのクリーム和えも、白ワインに漬けたおかげでしっとりやわらかくて、無理も背伸びもしていないのにおいしくて、安心していただけます。いいな、いいな。それにしてもただのトマトがなにゆえこれほどおいしいのだー。農業国フランスの地力にひれ伏そう。思い出すだけで幸せになる食卓、おもてなし、心から感謝します。
 取材の帰り、滞在先近くのアンヴァリッドエッフェル塔の公園を埋め尽くすピクニック集団を観察しました。確かに布を敷いていても座っていない!いまさらながら気づきました。
 ☆レイコ先生に習ったお料理〜
ロックフォール入りグジェール
・きらきら乙女シュケット(砂糖がピンク)
・チキンのクリーム和え
・ミント入りディップ
・パプリカのディップ
ギリシャのディップ・タジキ
・パプリカのサラダ(byトモエさん)
アプリコットの簡単タルト
・ピサラディエール
・赤ピーマンのヴェロテ
・プチトマトのコンフィ(瓶詰め)
・マッシュルームのコンフィ(瓶詰め)

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