村上開新堂のクッキー
「組織を離れる不安ってなかったですか?」「戻りたくなることってないですか?」。神楽坂の友・Yさんに訊かれたのは2カ月ほど前でした。そりゃ怖かったです、マリアナ海溝の底まで落っこちて地球の裏側に突き抜ける(わけないですが)んじゃないかと思うぐらい。でも漠とした不安はあれど「戻りたい」という感情にたどり着かないのが不思議です。振り返るとなつかしいような、切ないような、遠い日の花火を見ているような…。群れから離れちゃったんだな、私。思えば遠くに来たもんだ。質問の主・Yさんは人生の岐路に立っているようでした。いいなあ、他人事ながらワクワクするなぁ。「どんな決断をしようと応援しています!!」。そんなエールを送り、神楽坂の「ポール」でお茶して別れたのでした。「チカコさんならゴー、って言うに決まってますよね」とちょっと、あきれられながら。
年越しして初めて会ったら、「実は…」。その後あっさり決断、地元に帰ることにしたというのです。はやっ。でも決めるときってそんなものだよね。思い起こせば私もそうでした。12年余り会社を辞めるのを決めたのは2カ月ほどだし、3年半開いたアトリエを閉じることにしたのも2カ月ほどで決めたのでした。人生弾けてナンボ、迷ったらGO!です。
いまだに応援してくれる元の同僚たちには頭が上がりません。福岡在勤のころ一緒だったMさんもその一人です。九州日仏学館のイベントにご夫婦で来てくださいました。いただいたのが「村上開新堂」のクッキー詰め合わせです。包みを見た瞬間、うゎあーとユデダコ状態になってしまいました。
実は1月12日のブログ→(2012-01-12 - おやつ新報blog)で「すわき後楽中華そば」でプルーストのマドレーヌ状態になる…と書いたところ、ジュネーブ在住Tさんからメールがあったのです。「すわきでプルーストのマドレーヌ状態になるところがおやつ新報の方向性、明るい将来を体現していると思いました」。ぷぷーっ、恥ずかしい。「資生堂パーラーもしくは村上開新堂あたりでプルーストのマドレーヌ状態になりたいところですが、すわき後楽・・・ってところが田舎者の限界、あはは」。そんな返事をしたところだったのです。このやり取りをブログに書いたような気がしていて、だからMさんは気をきかせて村上開新堂を贈ってくださったんだ、何でも物欲しげに書くもんじゃないなと思ったのですが、さにあらず。何で分かったんだろう。偶然の一致にしては出来すぎだわ。感動しました。
というわけで東京の村上開新堂、初対面です。紹介制というハードルの高さで知られていますが、福岡のMさん、どうやって手に入れたんだろう。ぎっしりずっしりクッキーや小さい粒々メレンゲ27種類が詰まっていて、750gです。あっさりした甘さ、レトロな硬さがたまりません。気に入ったのは2枚でクリームを挟んだサンドクッキーです。チョコレートクッキー&ヴァニラクリーム、銀紙に包まれて「MK」と刻まれたヴァニラ味・・・。いきなり全種類、いっぺんに制覇してしまいました。クッキーモンスター状態、箱を抱えてずっと食べていられます。あー幸せ。甥っ子ユウとリョウにもおすそ分けしました。チカチャンのと、どっちがおいしい?と聞くと「どっちもおいしい」「そんなの比べられんと」だそう。あはは。応援を胸に、まだまだ弾けるぞー。感謝の思いとともにかみしめました。
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