アルプス洋菓子店のスワンシュー
故郷・岡山から東京に戻り、真っ先に行ったのは歯医者さんでした。不覚にも歯が欠けたのです。いままで虫歯になったことがなく、歯だけには自信があったのに。仮の詰め物をしたのは年末です。「痛むかもねぇ」と言われてドキーッ。年末年始の当番医リストがお守り代わり、戦々恐々と年を越したのでした。さほど痛みませんでしたが、それでもしみます。治療後にはさすがにホッとしました。当たり前だと思っていたことが本当にありがたい。「硬いものは避けて、(要治療の歯のない)左側で食べて」と言われ、トホホ。年配の方の気持ちが分かるなー。
故郷に戻っていたせいか歯のせいで年寄りじみてきたか、回顧モードが続きます。いや元からか。JR駒込駅近くの老舗「アルプス洋菓子店」で、ご近所の編集者Mさんと顔合わせ。同年代の2人とも、白鳥シューを頼みました。
NHK「きょうの料理」テキストを片手に小学4年のころ、初めて作ったお菓子です。1作目「パリ砂糖漬けの日々」でも書きました。どんなにあこがれたことか。いまだにドキドキします。
アルプスに初めて来た半年前、うわーイマドキ白鳥シュー!と目がくぎ付けに。なつかしい。もちろん来るたび気になっていたのですが、持ち帰るには壊れやすそうだし、よし買うぞ、と心に決めて入店したら、もう飛び立った後、1羽もいなかったり。
2階の喫茶でいただきました。喫茶も重厚でレトロ感たっぷりです。1個395円。白鳥とまじまじ見つめあいます。本当にべっぴんさんです。くちばしがちゃんと細くながーく、絞り出されているのですから。さすがプロ。ナイフとフォークが出されたけれど結局、得意の「解体食べ」です。苦労して一つに組み立てた作り手の意図など関係なく、バラバラにして味わうのでした。ごめんなさい。
カスタードクリームの中にはクリの甘露煮が潜んでいます。わぁい当たりだー。大喜びしました。いやもちろん、もれなく入っているのですが、なんとなくうれしい。コーヒー600円。ちょっと飲み物が高いので、だれかと会うときかのんびりするときに。
アルプス洋菓子店駒込店 火休
■「パリのおやつ旅のおやつ」出版イベントは1月21日、福岡にまいります!ぜひいらしてくださいませ。
- 作者: 多田千香子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2011/12/07
- メディア: 単行本
- 購入: 32人 クリック: 745回
- この商品を含むブログ (71件) を見る
1月29日(日)大阪・なんばパークス 案内はコチラ→http://d.hatena.ne.jp/oshirase/20111210/1323505571
2月10日(金)福岡・箱崎 カフェ&ギャラリー・キューブリック(ブックスキューブリック箱崎店2F) 案内はコチラ→「「尾崎豊NOTES 僕が僕であるために 肉筆版」 小説新潮 2012年4月号 | 福岡の書店・本屋|ブックスキューブリック[BOOKSKUBRICK]」