多田千香子 | Pen&Co.(ペンアンド)株式会社・代表取締役CEOのブログ

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呉鳳科技大学で小龍包修業vol.3

 いよいよ人生初・小龍包に挑戦です。高雄の小龍包の達人・何建彬先生は生地をひも状に伸ばし、スケッパーでカットしました。指でちぎるのもアリです。皮は1枚あたり8gだそう。細いめん棒を転がして、ごく薄くまるく伸ばします。ええっと、こんな感じかな…。底にあたる中心部に厚みを残すのが難しい。先生のを手に取って透かして見ると、ぷっくり1円玉大の円に仕上がっていました。ちなみにギョウザの皮は1枚12gで楕円形です。私と一緒に弟子入りした呉鳳科技大学の陳先生は肉あんの替わりに生地をまるめ、何個も作って練習していました。えらい。
 小龍包の皮を伸ばしたら、少し凍らせた肉あんを20gずつのせます。左手の親指であんを押さえ込みながら、右手の親指と人差し指で細かくタックを取って包みます。その数18回。かの有名店・ディンダイフォンと同じでした。先生のは、う、美しい〜。立ち姿はすっくとして、きれいで茶巾絞りみたい。よし、私も。腕まくりしました。やっはり難しい。タックも最初はいいのですが、次第にぐちゃぐちゃに。ギュッと最後は押しつぶしてごまかそう。「チカラ!チカラ!」。先生をマネして意味もなく力んだのがよくなかったか。やっぱり置いてもグラグラ、落ち着きのよくない子を量産してしまいました。
 アツアツの蒸し器に並べて7分、蒸し上げました。お店のように針ショウガと醤油、れんげもなしです。スープをこぼさないよう、お箸でちょっと皮を破ってからスープをすすり、一気にハフハフホホホーッ。ほおばりました。やっぱり自分で作った(とも言えないけれど)蒸したてって、なんておいしいんだろう。スープたっぷりで、皮も粉っぽくなくて、日本で食べるのとは別物です。またしても甥っ子ユウ&リョウの6歳児と奪い合いになりました。
 調理実習を終えてから姉の仕事です。ここからが本番なのですが、すっかりオマケ扱いです。あはは、スマンのう。応用日本語学科のある教室棟に移動しました。エネルギッシュな主任・蔡先生が案内してくださいました。主任室に行くと学生さんがお茶を出してくれたり、ユウ&リョウの相手をしてくれたり、もてなしがすごい。「私たちは大家族ですから」との蔡先生の言葉が印象的でした。
 学科の設備がすごすぎました。テーマパークみたいな観光ガイド教室、立派なカラオケ設備がある小劇場、掘りごたつ式で居酒屋みたいな「日本語パワーアップ教室」…圧巻は最新のPCを備えた「同時通訳会議場」でした。さすがIT立国というか。
 私も本来のミッションは甥っ子シッターのはずでしたがあっさり役割放棄、だって学生さんが遊んでくれるので。何しに来ているんだか分かりません。しめしめ、と地下にある学食を見に行きました。午後3時ごろと中途半端な時間だったので、開いているのはビュフェ式の弁当屋と韓国料理の店、そして日本にもチェーン展開しているタピオカドリンクの店「快可立(Quickly)」だけでした。それでもおいしそうで、おかずをたっぷり詰めて帰りました。ポークステーキとトンカツの間のような排骨に、ピーナッツと小魚、豆苗などをたこ焼き箱大のボックスに詰めまくって70NTドル(200円)でした。通訳をしてくれたキティラー先生は「まぁまぁ」と言っていましたが、いえいえ大健闘のおいしさでした。快可立では杏仁風味のミルクティー、30NTドル(80円)を。これはちょっと人工的な味わいで、いい叔母ぶってユウ&リョウに「あげるよ〜」と押し付けたのですが、ひとくち飲んだだけで「いらない」と言われました。見透かされたか。