多田千香子 | Pen&Co.(ペンアンド)株式会社・代表取締役CEOのブログ

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「とっかかり」と「罪滅ぼし」

 私なんぞの年齢とか顔とか経歴とか、隠すほどのものでも、さらすほどのものでも、もったいぶるほどのものでもない。そう思っていますが、人と出会うときの「とっかかり」としての機能は捨てがたい。あ、同性だ、同郷だ、同い年だ、同系統の顔?だ、などなど、とっかかりというか、本に引っかかってもらう撒き餌になるうるので。というとたとえがわるいか。もうひとつは内なる「罪滅ぼし」というか、そういう思いもあります。記者だったころ初対面の取材先に生年月日を聞いたり写真を載せたり、自分は虎の威を借るキツネ、絶対安全地帯にいながら、もうズカズカ土足でプライバシーに入り込む無礼のかたまりだった…ような。いま自分のトシをさらしたところで何の罪滅ぼしにもならないのですが、気持ちとして、です。
 新刊「パリのチョコレート レシピ帖」の奥付を書くにあたって考えました。著者写真をどうするか、です。今回の本は私は黒子というか、かくれんぼする意味もあって、著者写真はなし、のつもりだったのです。でも編集者Aさんの判断で掲載することに。Aさんが選んだ写真が…これがワタクシ的にはうひゃひゃーな写真で、なに料理研究家気取ってんのおたくー、と我が身にツッコミ入れそうになりました。いや、もう、お恥ずかしい、っていまさらカマトトぶってどうする。
 デリー日本人会・赤ちゃん会でのケーキは反省しきりで、言い訳ですが新刊の校了とぶつかったせいもあり、イチゴショートをあきらめたこともあり、もっとやれたんじゃないか、と自問しています。林真理子さんの本にもありましたが、やった後悔は日に日に小さくなり、しなかった後悔は日に日に大きくなるのだなあ。ひとつひとつ丁寧に、を肝に銘じていこう。
 写真は故郷・岡山で飲んだ牛乳「石原ホモ牛乳」です。フォントが素敵、牛もかわいすぎるっ。インドでは安心してゴクゴク飲める牛乳がないのが残念です。